スリランカの8つの世界遺産i
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、保護が必要な重要な場所を、世界遺産に選定している。ユネスコの世界遺産の多くは、文化的、人類学的に重要性な史跡の中にある。スリランカには6つの文化遺産と2つの自然遺産、計8つの世界遺産がある。この頁ではそれらを紹介する。ぜひ訪れてほしい。
聖地キャンディ
キャンディはスリランカの山間都市であり、1592年から1815年まではシンハラ朝の都であった。有名な仏歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院=写真)にはブッダの歯が特別な容器で保管されている。仏歯の保有者は仏教世界の代表として力をもつといわれ、仏歯自体が政治的に重要な意味をもち続けている。仏歯寺を含む聖地キャンディは1988年、世界遺産に登録された。
古都シーギリア
シーギリアは5世紀のカーシャパ王が築いた岩上の宮殿である。階段を上ると、ライオン・ロックや、宮殿と要塞の遺跡がある。頂上から見る景色は絶景で、下界には360度のジャングルが広がる。雨水を集めた貯水湖は今でも機能している。シーギリアは1982年にユネスコの世界遺産に登録された。
聖地アヌラーダプラ
アヌラーダプラはスリランカの最も古い都であり、仏教の重要な聖地として今に至る。コロンボ(現在の首都)の200km北に位置する。マルワツ川沿いに並ぶ寺院や宗教施設の保存状態は良く、1年を通して仏教徒や巡礼者が訪れる。スリランカで最大かつ最重要な菩提樹=写真=があり、それはブッダが悟りを開いた菩提樹の直系といわれている。アヌラーダプラは1982年にユネスコの世界遺産に登録された。
ゴールの旧市街と要塞
ゴールが城塞都市となったのは、17世紀のオランダによる。コロンボの南約119kmに位置し、訪問の価値がある。町を守る分厚い石の城壁はオランダ東インド会社時代の17~18世紀に建設されたもので、内側には古い建物や教会が残る。1988年、ユネスコの世界遺産に登録された。
古都ポロンナルワ
スリランカは1世紀にアヌラーダプラが攻略され、ポロンナルワに遷都した。12世紀に形成された田園都市であるが、チョーラ文明時代のバラモン建築を残す。ポロンナルワはアヌラーダプラとシーギリアと合わせて「文化三角地帯」と称される。1982年、ユネスコの世界遺産に登録された。
ダンブッラ石窟寺院
ダンブッラ石窟寺院は2200年間で多くの巡礼者が訪れた。それはスリランカで最大かつ最も保存状態の良い洞穴寺院である。寺院の内外に優れた壁画と150以上の像が残り、1991年にユネスコの世界遺産に登録された。
シンハラジャ森林保護区
スリランカには2つの自然遺産があるが、シンハラジャ森林は1988年に登録された。スリランカ随一の熱帯多雨林保護区に珍しい木や動物が暮らし、まさに「固有種の宝庫」である。自然愛好者はぜひ訪れてほしい。
中央高地
スリランカの中央高地はホートン・プレインズ国立公園、ナックルズ保護森林、ピーク・ウィルダーネス保護区からなる。海抜2000mを超える高地であり、2010年に自然遺産として登録された。さまざまなハイキングコースが人びとを迎えるだけでなく、生物多様性の観点からも重要な場所であるといえる。






